「本当の勇気」「本当のあたたかさ」「本当のやさしさ」……というように、いろんな言葉に「本当に」をつけてみたとき、なるほど人間にとって一番大切なものって形がないんだと思いました。これは私にとってすごい発見! よく「形は虚、形でないものは実」といいますが、この言葉の意味がはっきりわかった瞬間でした。

発想の転換

地下鉄で長い階段を三段くらい上ったとき、まだまだ上らなくてはならないのかとうんざりしてしまい、足元だけ見て一段一段と上りました。しばらくして、ふと見たら出口に着いていたのです。

その話を舟木先生にしたら、何の前置きもなく、「声聞、縁覚、菩薩、仏陀」とおっしゃたのです。声聞とはお釈迦様の声を聴くとか、そういう意味があるそうです。

私が話したことに対して、「それは、こうだよ」と説明するのではなく、この言葉をポロッと言われたのです。

物事は先のことを見て「いやだなあ」と思いながらやっていくと苦しいが、目の前のことを見てもくもくとやっていくと、いつの間にか目的に到達しているということなのでしょう。先生がいきなり「声聞、縁覚、菩薩、仏陀」と言われて、びっくりしましたが、そんな意味もあるんだなあと納得したのでした。

先生もずっとそのように言っておられましたが、魂はそこ(到達点)に行くためにパズルのように、あれこれ回りまわらせて、最後にパチッと合わせるような働きをするようです。

私の場合、先生に出会うことで過去のゴタゴタに整理がついたのですが、それも私の魂がわかっていたので、そういう準備に取りかかってくれたのかなと、あとで気がつきました。

だから、ちょっとしたことでも見過ごしてはいけないんだなあ。ただ、いろんなことに固執していてもいけないし、すべてにおいてバランスが大切なんだなあと、そういうことも先生に教えていただいたような気がします。すると、当たり前の日常生活が興味深く感じられるようになりました。