【前回の記事を読む】「あなたに新築の家を買ってあげたい」が口癖だった母。だが私はむしろ母と同じ家で……

第1章 介護を通じて育む家族の愛

母の口癖の中に隠されていた去りゆく者の愛

また、子どもは、親にいい暮らしをさせたいからと、良い介護施設の選び方の書かれた書籍などを買い、そこに準ずるような高価なホームに入れたいと思うかもしれません。

しかし、あくまで私の意見ですが、お泊まりデイズも入居金1億円のホームも変わらないと思います。結局は相性です。入居者と気持ちの通じる介護士が居てくれて、人として体温の伝わる介護をしてくれるのが一番です。

あまりにも良い施設に入れてもらったために、子どもに恐縮してしまい、余計な心労がかかっているケースも少なくないようです。

親と真剣に話すというのは、どこか気恥ずかしいものがありますが、このような食い違いをなくすためには、話し合うしかありません。お互いを愛していればいるほど、お互いの幸せを願っているはずなのですから。

元々、コミュニケーションを親子で取れていなかった私たちは、親子での話し合いをもたなかったために病状も悪化しましたし、お互いが無駄なストレスを抱えてしまいました。

どうか、私たちと同じ失敗をしないように気をつけてください。

幸せにしたいという思いが、独りよがりにならないように。