【前回の記事を読む】父には憎しみに似た感情を抱き、母を思うほど苛立っていた私。介護のなかでその正体に気づき……
第1章 介護を通じて育む家族の愛
穏やかな心情で介護を行うためには
無理して「自分の気持ちを溜め込む」必要はありません。
ただし、自分の気持ちを相手に極度に押し付けようとするのは、やめた方がよいでしょう。自分の思う通りにしたいという気持ちが強過ぎると、相手は○○してくれないという思いが強くなり、逆に苛立ちが溜まってしまいます。
高齢者とその子ども世代の間に、考え方の隔たりがあって当たり前です。喧嘩をしたとしても、自分の意見を言ったら相手の意見を聞く。そして相手の意見を受け入れる心だけは忘れないでください。
介護を始めた最初の頃は、先のことが読めないので、どうしても介護する側が焦ることが多いと思います。私のように突然に介護のために同居が決まった場合だと、家事を常に自分のやり方でやってきたためか、親が、家事などは完璧に自分と同じやり方でこなしてくれるだろうと思っているケースが多いようです。
自分の実家であっても、私の場合は洗濯物の干し方まで、母に文句を言われて閉口しました。
そこで、焦って親に合わせようとしたところ、ストレスが溜まり、お互いに険悪な雰囲気になるだけでした。
親のことだから私がすべてわかっているはず、子どもなんだからしっかりやれるはずという思いもあるかもしれませんが、いくら親子で何十年とともに生きてきたとしても、介護は1年生なわけです。最初からなんでもうまくできるはずがありません。焦らずゆっくりと慣れていくしかないのですから。