【前回の記事を読む】イタリア「モンテ・ジェラートの滝」周辺には紀元前1世紀の“別荘遺跡”や紀元8世紀の農業集落跡や水車などが点在していた!?

3 大空と大地に挟まれて

カプラーニカ

今回は列車でローマに戻るため、鉄道駅のあるカプラーニカまで、あと9kmほどの距離を急ぎ歩かねばならない。

ストリからは、渓谷に沿ったハイキング道を進む。途中小川が流れ、かわいらしい小さな白い花があちらこちらに咲いている。水は清らかだが冷たそうである。

カプラーニカの街は、北に位置するヴィーコ湖のおかげで水が豊富な場所として昔から有名であった。1337年にカプラーニカを訪れた大詩人ペトラルカは「空気は温和で谷には甘い水が流れている」と手紙に記している。

もっともペトラルカは「羊飼いは狼より泥棒を恐れている」とも記しており、当時この辺は物騒だったようだ。

ストリ郊外の小川沿いに咲く花

カプラーニカの市章には、雌ヤギが描かれている。子ヤギが加わったバージョンもある。

ヤギはイタリア語でカプラ(Capra)なので、ヤギと関係がある街だったとの説がある。

現在はローマからほど近い別荘地として、ゆったりと休暇を過ごす場所となっている。

カプラーニカの紋章。
旧市街にある市役所入口に掛けられている。

ペトラルカ通りに面した市役所脇の建物にはルネット(入口上部の半円形の装飾部分)があり、渦巻状の蔦と様々な獣や人が調和している精巧な彫刻が施されている。

これをぼんやり鑑賞していると、にゃんこが隣接する建物の脇に作られた階段を下っていくではないか。

後を追いかけていくと、ぱっと眺望が広がり、カプラーニカ旧市街脇の公園に出た。

美しいルネットを有する建物。猫が道の左側で遊んでいた。
旧市街脇の公園からの眺め。
カプラーニカがそそり立った岩山に造られたことがよく分かる。

カプラーニカでは、あちらこちらでにゃんこがのんびり日向ぼっこをしており、ほのぼのとした気分になった。ここには、猫達のゆったりした時間が流れている。