【前回の記事を読む】日本はこのままだと奈落の底に落ちる!? 「明治維新並みの改革」で目に見える変化が必要である。例えば…
第一章 日本の社会・歴史
民を富ませない、お上
江戸時代以来、将軍家・各大名は、民を徴税の対象としてのみ意識し、「民を富ませる」意識に欠けていた。その意識は、明治維新後にも引き継がれ、民(国民)とお上との関係を一方通行の物とした。
卑近な例だが、1987年(昭和62年)のNTT株の売却は好例だろう。売却予定価格119万円に対し、初値は160万円であったから、まずまずの滑り出しであった。僅か、3ヶ月後には、一株300万円以上となった。以降、今日に至るまで最高値を上回る事は無い。
つまり、昭和62年当時、NTT株を熱気に煽られて購入した人々は、「高値掴み」をさせられ、一方、国は「高値で売り抜けた」事になる。これは、ある種の、国による、民に対する「裏切り行為」に他ならない。
株の投資は自己責任とは言え、国は、なけなしのお金を投資した国民に対し、決してこのような仕打ちをしてはならない。
心を入れ替えたかどうかは別として、2024年には「新NISA」が導入され、民の貯蓄を利用して、「運用」に舵を切りつつある。果たして、成功するかどうか、お手並み拝見と言った所だ。「民を富ませる」事の重要性に、国の「手許不如意」が気付かせたのだろう。「遅い」としか言いようがない。
日本では、「家」を建て、そのローンの返済に当てる事に、生涯が注がれる事が多い。しかも、一世代一世代毎にだ。これも、「高度成長」を経験しながらも、真の「豊かさ」を実感できない、一つの原因ではないか。