日本では「木造」という事に拘りがあるが、内装を更新しつつ、代を重ねて、住み続けられる住宅の推進をしては如何だろうか? これは、家を建て、ローンを返済するという事を、一代毎に行うのではなく、数世代にわたり行うという事になる。その為には、内装の更新を前提として、火災や地震にも強い材質で家を建てる事が必要だろう。
ある時、私の勤めていた会社の同僚、スミス氏から、ロンドン市内の自宅に招待された。「庶民」の代表格だった氏の自宅は、郊外の同じような煉瓦建ての建物の連なった、所謂労働者の為のテラスハウスであった。
家を訪れるとすぐ、家のリフォーム自慢が始まった。家のリフォームとは言っても、家の中全てだ。ベッドの彫刻の補修、室内や階段等の絨毯の張替、壁紙の張替、トイレや風呂場まで、つまり建物の屋根や外壁以外を、その家に住みながら、コツコツと自分でリフォームするという訳だ。それが、彼の「趣味」だという。
「趣味と実益を兼ねた」という言葉があるが、正しく、その事を地で行っていたのだ。いかにもイギリス人らしい趣味であり、レンガ建ての外装は、内装さえ新しくすれば、「新品同様」となる訳だ。
そして、趣味と実益を兼ねたリフォームが完成し「新品同様」になった家を売り、もう少し大きな「ぼろ家」を買い、住みながら、そして趣味に勤しみながら、実益を上げるという生活をしていたのだ。日本で同じ事をするのは、今の所、少しハードルが高いように思えるが、色々な観点から、示唆に富む話ではないだろうか?