【前回記事を読む】「お絵描き」からわかる子どもの発育! そこには、点であったり、短い線であったり…。描きたい“何か”があるのではなく…
1. 子どもの描画の発達段階
なぐり描き(スクリブル)の段階(1歳~2歳半頃)
③制御されたスクリブルの段階…「意味付け」の始まり
やがて、肩、肘、手首、指の制御がきくようになり、丸の連続のグルグル丸や、始点と終点がまだ明解に止められていない、直線の前の段階の擬似直線が描かれるようになります。
同時に、このころには言葉の発達も進み、なぐり描きをしながら「これイチゴ」や「これリンゴ」などと、なぐり描きの点や線に「意味付け」を行うようになります。
子どもにそう言われて、なぐり描きの中を見てもそれらしいものが見えないこともありますが、そう言われた時には「おいしそうだね」などと言って褒めてあげてください。そこで、「イチゴはこう描くのだよ」と言って、見本を描いたりしてはいけません。スクリブルの段階では、三角形自体まだ描けない段階です。
グルグル丸は、丸の連続です。その丸は、始点と終点がきれいにつながっている丸ではなく、少しずれながら丸が連続しています。疑似直線は、線の始まりが小さな曲線になっていて、線の終点も同様に曲線になっています。まだ、1本の明確な直線のように、始点と終点がしっかりと止められた明確な直線になっていないのです。
「意味付け」は、子どもが、言語の意味(最初は視覚的意味)とその対象(イチゴ)を一体のものとして認識する重要な知的活動です。
言葉の意味の獲得は、言葉の意味(バラ科の小低木または多年草で、黄・紅色の液果をつけるものの総称)及び音としての「イチゴ」を、実物の対象としての「イチゴ」に与えることによって、他のものと区別し、それ自体を他から浮かびあがらせる(知る)ことが目的です。名詞的言語は、対象を特定し認識する道具です。