【前回の記事を読む】賢く使って更にスピードアップ! 電子レンジで加熱調理をするときの秘密を徹底解説

Part1 料理の世界における電子レンジの役割

Chapter3 熱の伝わり方

熱の伝わり方

熱の伝わり方には、伝導、対流、放射の3種がありますが、固体食品の内部へは「熱伝導」で熱が移動して加熱されます。ゆで加熱や蒸し加熱の場合、熱源の熱は、鍋を加熱して水を沸騰させ、食品の外部を熱くした後に熱伝導によって内部に熱が伝えられることになります。

固体の内部で高温部から低温部へと熱が伝わることを「熱伝導」といい、移動速度の指標として熱伝導率(W/mK)が用いられます。空気0.02、水0.6、鉄50、アルミニウム 200がよく知られていますが、食品の熱伝導率は水よりやや小さい0.3 ~0.6程度と考えられています。

空気を含むクッキーやケーキは0.3~0.4、肉類は0.5~0.6、牛乳は0.6付近になるようです。食品は熱伝導率が金属の1/100以下と小さいため、加熱には長い時間が必要でした。

液体や気体が熱せられると熱膨張して軽くなって上部に移動し、冷たい流体が下にたまる。その動きがくり返されて全体が熱くなることを、「対流加熱」といいます。

太陽光、たき火、ガスコンロ、暖房器具からは「放射熱」が出ています。発熱体から放射される赤外線を受け取った物体から熱が発生するため、発熱体に近いほど熱く感じます。たき火にあたると暖かいのは、たき火の熱エネルギーが人体に届くためであり、コンロの熱が鍋底を熱くすることから加熱調理がはじまります。

POINT

長い歴史の中でさまざまな料理法が誕生しましたが、従来の加熱法ではいずれも外部に熱源(火)があり、熱源の熱は放射や対流によって食品に到達し、伝導によって食品の内部に伝わる「熱伝導加熱方式」でした。食品の熱伝導率は小さく内部まで熱が伝わる時間が長いため、料理を作るの加熱時間が長くなったというわけだったのです。