まえがき

「電子レンジ」は家庭内にすっかり定着し、「チンする」という言葉が日常生活の中でとびかっています。温めと解凍だけでなく、下ごしらえに利用する人も増えました。

人が一生の間に食事をする回数は8万回以上にもなりますから、たまには手ぬきをするのもいいでしょう。

しかし、時には手作り料理を並べて心身をリフレッシュしてください。この両方に電子レンジは役立ちます。

使用頻度が増える中で、電子レンジはなぜスピード加熱できるのか、従来の熱伝導加熱法とどう違うのか、食品によって加熱速度がどう違うのか、加熱むらが発生しやすいのはなぜかなど、疑問に感じておられる方も多いのではないでしょうか。

「電子レンジは水分子を動かして熱を発生する」と説明されているので、水分の多い食品の方が昇温しやすいと思う人が多いのも気になります。

加熱のし過ぎで発火する事故が増えているのも心配です。サーモグラフィを活用して、電子レンジのブラックボックスに光をあてたいと思って、この本の出版を企画しました。