就職の厚い壁
こんな楽しい短大時代にも、現実を突きつけられたこともあった。みんなと同じように、就職活動をして自分自信の実力・レベルに戦いを挑んでみたかった。学校の就職サポートセンターに通い、スタッフの人たちは誠心誠意協力して下さった。
しかし、内定どころか面接をしてくれる会社すらどこにもなかった……。ざっくりした理由としては、車の免許がない、障害を持った人を雇用できる環境にない、だった。
障害者雇用促進を勧められている大企業でも、障害者枠がいっぱいで雇用の空きがないということだった。
こういった悔しさや挫折感を感じられたのも、私が本当の意味で自身の人生を歩んでいた証拠だったと思う。それと同時に、同じ土俵では周りと同じレベルでは決して太刀打ちできないと思い知らされた。自身にもっと“箔”を付けなければふるいにかけられて負けてしまうと痛感した。
英語を身に付けたいという理由と、漠然とだが病気や障害を持った人たちへの精神的サポートができる職業に就きたいという思いから、心のケア(カウンセリング)分野が発達しているアメリカに留学することを決意した。
そして、そのアメリカ留学で決して誰にも奪えない学歴という“箔”を付けられるだけ付けようと心に決めた。
次回更新は12月29日(月)、18時の予定です。
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