【前回の記事を読む】「ラジオ体操」は何が画期的なのか? 元体操選手・体育教師である著者がやさしく解説!

第2章 生活動作を段階的に確認

生活姿勢と呼吸についてのマメ知識

例えば、呼吸を止めるとき(顔を水につける)、胸いっぱいに息を溜めて一気に吐き出す(強い力を必要な動作)、細く長く吐き出すとき(ケーキのたくさんのローソクの灯を消す)、大きく吸って止めるとき(レントゲン撮影)、ゆっくり動作、小刻みの動作など調整して行われます。

姿勢と呼吸が合致しないと出来ばえに影響(スタートラインでの“用意ドン”の出遅れやフライング)があります。生活動作は生涯にわたって重要な土台づくりとなる動作であり、生活の中で無理なく自由に続けやすい場と考えてください。

1 初段階の生活動作(生涯必要な動作)

我々は、日常生活で行っている基本動作を無意識に、当たり前にしていますが、手や足のちょっとした痛みや軽い怪我でさえ不自由に感じるものです。病気で寝込むと一層普段のありがたさに気づくと思います。

「初段階の生活動作」の内容は、生涯の生活の基本動作となることを自覚して生活するという意識性を保持しておく行動です。この初段階での動作内容には、立つ、座る、横になる、寝返る、這う、立ち上がる、歩くなどの移動動作、衣服の着脱、洗顔、歯磨き、食事、排便、入浴など毎日行われている生活動作が挙げられます。

これらは生涯一人で行う生活基本動作です。子どもの時期に生涯動ける動作を繰り返し行って身につけて成長しています。

高齢になって介護が必要になる原因に、生活の中での身体活動不足が挙げられます。

使わないと動きを忘れる、筋力機能が低下する、一人で動けなくなることなどが問題になっている現代の生活では、生活様式の変化や便利な生活環境に対する無自覚が原因として挙げられます。少子高齢化でマンパワーが減少、人的資源を補うためのITやAIの普及も一般化するまでにはまだ時間がかかります。やはり自分で自由に動けることほど便利なことはないでしょう。

日常生活で規則正しい生活をおろそかにしないで、最後まで一人で動けるからだを維持することを強調しています。