【前回の記事を読む】発疹が出て個室に移動したが、そこはゴキブリがうじょうじょいる病室だった…部屋はすぐに消毒されたが…

4章 大阪大学附属病院入院時代

外泊

週末はできるだけ外泊をさせてもらった。外泊中でも毎日の点滴治療を受けるため病院に戻らないといけなかったが、それでも外泊はとても嬉しかった。姉と弟と過ごせたのもいつも楽しかった。

日曜日の夜八時までに病院に戻ることになっていたが、いつも消灯時間の九時を過ぎてから戻っていた。

「すいません、次回から気を付けます」と毎回謝りながら、八時はおろか消灯時間にも間に合ったことはない。私&上原家は遅刻の確信犯だった。

外泊中は私の大好物の焼肉をよく家族と食べに行っていた。大阪ミナミの宗右衛門町(そうえもんちょう)に行きつけの焼肉屋さんがあった。そこのお肉は絶品で特にカルビとタン塩は最高級の味だった。

〆に食べる冷麺も、ぅおーっとうなるほど美味かった。年配の方ならご存知だと思いますが、大阪のお笑い芸人「チャンバラトリオ」のてっちゃんもそのお店によく来ていた。私はなぜかてっちゃんに頭を撫でられたことがあった。

タクシー事件

外泊したある土曜日。私は点滴を受けるためだけに両親と姉と病院に戻った。点滴の時間ギリギリだったので父は正面玄関で私と母を降ろそうとした。

なぜか上原家には事件がよく起きる。

真後ろに止まっていたタクシー運転手がクラクションをブッブーと鳴らした。父は「なに鳴らしとんじゃ、車いす下ろしてるんが見えへんのかぁ」と激怒した。