番組出演後本件について思い巡らせているとき最初に浮かんだのが、常々考えていたこの「言語室から飛び出す」ことでした。そして、私自身もこのスローガン通り行動したいと思いました。

当事者であり同時にその道の専門家という立場の私が、脳損傷ゆえ病前同等の心身状態の回復が望めそうもないことは承知の上で、そういう「負の烙印(スティグマ)を押されたまま」残りの人生をかけて主体的に「社会に飛び出す」べきだと思いました。

つまり、このような状態になった今だからこそ、研究も含め挑戦する価値があると思うことは何にでも挑戦し社会とつながることで、その時点の私にできる限りの「社会参加(≒社会貢献)」をするべきだと強く思ったのでした。

そうだ! これが私の人生のうち2度目の「飛び出す行為≒主体的な情報発信」つまり「社会との関わり欲求」であり、まさに真の意味での「社会参加」とも言える発想でした。

「残りの生涯をかけ、真剣に私にしかできない社会参加≒社会貢献をしたい!」これが司会者に伝えたかった私の回答でした。

実は行動に移す際に、ある問題が発覚しました。私の罹患した脳卒中は、「突然完成型」と呼ばれる質の悪い脳梗塞、つまり極めて予後不良でいつ命が終わるとも知れない「心原性脳塞栓症」というタイプ(1)だったことがわかったのです。

私がこれから何らかの目標に向かって生きていくためには健康であることが条件ですが、その健康が突然脅かされる状態で、私にいつなんどき人生の終わりが来てもおかしくないことを自覚しなければならない「人生の崖っぷち状況」に私が置かれていることが判明しました。