その場所を利用して営業することを決めました。煩雑な営業許可や保健所の届け出も借りる側は特に不要で、営業をする場合は「食品衛生責任者」の資格を持っていることだけが条件でした。
レンタルカフェであれば物件を借りるよりコストも格段と低い。日々考え、必要な情報を集めながら一歩ずつ進めていきました。
「食品衛生責任者」の講習会を申し込もうとするも当時はコロナ禍。講習会は参加人数を大幅に減らして開催していることから、予約をしても早くても受講は3カ月後。それでも私は3カ月後の都内会場での講習会申込みをしました。
その間に都内のレンタルカフェ利用に向けて事務手続きを同時に進め始めました。初回の利用日、つまり人生初のカフェ営業日は2021年1月20日に決まり、食品衛生管理者講習会の受講日もギリギリ直前の1月14日に決まりました。
無事に受講が終わり母と同じ食品衛生責任者の資格が取れたことを嬉しく思い、母に伝えたい! とスマートフォンをカバンから取り出すも、先日に喧嘩別れをしていた私たち。
意地も気まずさも出てきてしまい、さらにカフェ経営のことも話していないので、その経緯を話す面倒さも先行してしまい電話することなく帰路につきました。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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