ⅱ.にじ

(あか)

ゆうやけ・あさやけ・うみやけ・こやけ

しずかにうちよせるやさしいなみ

なみにうつるそらのいろ

(だいだいいろ)

ちへいせんにしずむほしぼしのかがやき

うみはなにをおもってたゆたうのだろう

せかいのしんぴ・せかいのこどう・せかいのきおく

くうきがはこんでくるせかいのとどろき

(きいろ)

たいようがのぼるときぼうのいろでつつまれる

やみはすがたをひそめ

しあわせのいろでみたされる

(みどり)

つちのなかからなにかがうまれるけはい

やわらかなめ・やわらかなこきゅう

いのちのあたたかさ・ぬくみ・うるみ

しゅくふくにみちたせいじゃく

(あお)

よるのそらはなんでこんなにもさみしいのだろう

かなしいくらいきれいないろにこころをうばわれる

すみわたるくうきはひんやりとして

(あいいろ)

ふかいいろへとかわってゆく

ふかみをましてゆく

ふけゆくいちにち

(むらさき)

そうしてせかいはおわった

さいごにのこったわたしとあなたは

きょうもたのしかったねとふりかえる

ひとみにうつるしゅうえんのうつくしさ

がうみをたゆたう

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

👉『神さまの隣』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】電車でぐったりしていた私に声をかけてきたのは、不倫相手の妻だった

【注目記事】父は窒息死、母は凍死、長女は溺死── 家族は4人、しかし死体は三つ、靴も3足。静岡県藤市十燈荘で起きた異様すぎる一家殺害事件