おそらくこの中では一番年長者だが、いつもの白い和帽子を被っていないと角刈りの頭に襟足の毛だけが長く伸ばされていて、実際よりもだいぶ若く見える。確かこれもヒカルのセンスだったはずだ。

脱ぎ捨てられた靴が玄関マットに収まりきらずベージュの絨毯を汚している。その脇に置かれたソテツの陰で壁にもたれ、ダイスケとマサはローカルのタブロイド紙をぼんやりめくりながら、部屋を出る前に僕にすすめたオランダ産のマリファナを吸っている。

「何もこんな時間によう、わざわざ洗濯なんて変わってるよなあ、リクは真面目だなあ」

「ただのルーティンだよ、ダイスケ。洗濯は金曜の夜って決めてるからね。それより最近、勝手に設備業者とか国勢調査員とかさ人が入ってるようだから、変なもの置いていかないでくれよ」 

テレビ画面を独占しているヒカルは巨大なポテトチップスの袋を力強くパーティ開けにして口に頬張り、シーズーがすかさずその匂いを嗅ぎに来る。

手についた塩を絨毯の上ではたき落としながら「ちょっとモブ見えないやろ、テレビの前通るの止めてや」とバスルームに向かおうとしたブリーフパンツ一枚姿のラテンの男のふくらはぎを軽く引っ叩いて怒鳴り、リモコンを手に取ってテープを少しだけ巻き戻した。

「せっかくリクが、ウェアハウスからくすねてきてくれたホールのサーモンなのに、マサたちが上手に捌いてくれてすっごく美味しかったのに全部出ちゃったもう」