【前回の記事を読む】ある日、口がきけなくなってしまった。“あああ、しゃべれなくなっちゃった”すぐに医者に行きなんとかなったが…

第一章

わかるよ! あなたの気持ち

こんなことがわかる。

と言ったら、被害者の方には、いや世間の人にもいたく責められる。

だからわかってはいけないのかもしれない。

被害者の方には大変申し訳ないが、私の気持ちだけ書かせていただきたい。

まずは、何年か前の秋葉原の殺傷事件についてだ。たぶんご存知の方も多いかと思う。あのとき、私がまず思ったことは、やってしまった男性の気持ちが手にとるようにわかるということだった。いやというくらいわかる自分だった。

人を殺してはいけないのだ。

すでに彼はこの世に生きていても何の意味もないと、自分を主張したかったのだろう。すでに彼はこの世の人間ではなかったのかもしれない。

そのときの私自身は、自分がせめて女でよかったと思った。彼は親にも理解されていなかった。しかし真面目な派遣社員で、収入は少なく、孤独な人だったに違いない。

私は、自分との接点を感じてしまったのだった。こんなことを感じた人はいないかもしれない。いや、いるかな!! どこかにいるだろうか。

私が女でよかったと思ったのは、女はまず暴力が嫌いだということがある。人殺しまでして自己主張しない。人に物理的に害を与えるのもいやだし、特に私は心も傷つけてはいけないと思っている。

生きづらくなっている昨今。

コロナが出てからはこのような人間が余計に増えているようだ。

多情多感、これから夢いっぱいの若い人が、気の毒で仕方ない。

最近では、苦しさのあまり、女の人まで同じような行動に出ているのが現状だ。

それは、最近のあの渋谷の松濤での事件だ。

ねえ。

勇気、その勇気、他に向けてみたらどうだろう!

たとえば、真っ赤な服を着て素敵な自分に変身して渋谷の街を堂々と歩いてみる。