第三章 ISOと病院機能評価
第一節 ISO(国際標準化機構)
ISO(国際標準化機構)は国際的な規模の標準をつくる組織で、スイスに本部を置く非営利法人である。組織の自主性を重視して、企業活動の弾力性、活性化と働く人が幸せになることを目指す任意規格である。
「マネジメントシステム規格」が、組織に高度の成果を上げさせる手段で、左記の項目が規定されている。
① 「組織図」による各部署の業務分担を明確化する。
② 「コミュニケーション」による情報の共有化の手段として、毎月おこなわれる五定例委員会(表2)と、随時の、倫理委員会、薬事委員会、輸血療法委員会、褥瘡(じょくそう)対策委員会を設置する。
③ 各部署の知識が文書化された「品質マニュアル」を閲覧利用し、作業の効率化と継続的改善を目指す。
④ 実際の業務は、P(計画)、D(実行)、C(評価)、A(処置・改善)の「PDCAサイクル」でおこなう。
運用は、トップマネージャー(経営者 理事長)が「基本理念(品質方針)」を定めて声明し、各部署長は「品質方針」に従った年度目標と目標達成の手順を確定し努力する。
重視されることは、勉強会、学会、研修会、講習会出席、展示会見学などによって、各部署のスタッフの力量の向上を図り、組織の成果に貢献することである。いわば指揮者(トップマネージャー)のもとに演奏者(各部署)が、最高のパフォーマンスを提供する努力をするのと同じである。
「品質マニュアル」はわれわれが育んできたオンリーワンのツールであり、逐次変更され版を重ねている(図2)。
