2回裏 先輩たちの下で
夏が終わり、僕らの一学年上の新しいチームになると、新しい監督がつくことになった。その新監督は僕らの学校の先輩で、この前の三月に高校を卒業して大学生になった。
中学一年から高校三年まで野球部に所属し、俊足強打のスラッガーとして活躍していたという。長身で、顔立ちは端正、何ともカッコいい兄貴分的な監督だ。
三年生がいなくなって、先輩は二年生の人たちだけ。野球をやる環境が少しずつ良くなっていく。
「オレたちも、あと一年で主力だなぁ! それまでにもっともっとうまくなって、強くならないと」トムが言った。
「オレたちのチームは良い素質の者が揃っている。結構、良いチームになると思うよ」
ジョーは言う。
彼は、野球のルールや戦略の細かいことにも詳しく野球をよく知っていた。そして、外野守備もすこぶるうまかった。
「早く、僕らも試合に出たいよなぁ。一年後をひたすら我慢して待つしかないな」
僕は言った。
「それまでに守備もバッティングももっと上達させないと。まだまだこのレベルだと厳しいよ」とミッキー。
「そうだな。ただ、二年生には二年生、一年生には一年生の試合をやらせてくれればいいのに」とジョーは言う。
「まぁ、しかし、それほどのスペースも時間もないだろう」ジョンはいつも冷静だ。
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