トムと話した。ジョンと話した。ジョー、ミッキーと話した。

「練習は裏切らない」とトムは言う。ジョンもジョーもミッキーもそう言う。僕に実感はなかったが、皆がそう言っているのだからそれでよい。とにかく、彼らがいるから僕も頑張ることができる。

トムは豪快で根っからの明るい性格で、強いリーダーシップの持ち主。僕らが落ち込んでいる時はいつもトムに励まされた。ジョンは口数こそ決して多くはないが、しっかりと物事を考えていて、ここぞ、という時に頼りになる。

彼は組織の中でも比較的、自由に行動していく……、そんなタイプだ。ジョーは背が高くハンサムなナイスガイで、野球もよく知るご意見番。ミッキーは僕らの中では一番のイジられキャラでマスコット的な存在。

一方で、一途なところがあり芯は強い。僕はといえば、五人の中で一人だけ次男坊で末っ子だからか、調和を重んじて行動するタイプ。負けず嫌いな性格だが、それは内に秘めていた。

五十人以上いた僕らの学年の野球部員も、時が経つにつれて徐々に人数は減っていった。

ピッチャーとしてトム、キャッチャーは僕、ファーストはスティーブ、セカンドはデーブ、サードはジョン、ショートはロバート、レフトにジョー、センターはレジー、ライトにミッキーがレギュラーになっていく感じの布陣だった。

僕らは、同学年の他の野球部員にも、既に外国人名のあだ名を付けて、そのあだ名で呼び合っていた。