最終面接に進み、面接は全てオンラインで行われた。ずっと私は自分の小さなスマートフォンで面接を受けていて、最終面接の途中では義母と自身の息子が保育園から帰ってきてしまった。

「ママ、どこ?」

などと陽気に無邪気に叫びながら探す子どもから、逃げるようにして、奥の部屋に移動し、何食わぬ顔で最後までやり切ったのが良い思い出だ。

今の職場ではある現場を長として任されている。そこには二十人弱の従業員がいて、私は彼らに指示を出したり、間に入って見本を見せたりして仕事を回している。従業員のほとんどがフリーランスかパートであり、フリーランスというのは私と業務委託という関係性にある。

だから私はフリーランスたちとの間に一線を引いているし、依頼した仕事をこなしてくれさえすればそれ以上でも以下でもない。

パートに関してはスタッフという呼び方をすることが多く、業務内容としては私の補佐をしてくれる。

こちらは私の管理のもとで会社から給与として対価を支払っているのだから、身内感が強い。上司・部下のような関係といえるのかもしれない。

彼らと現在、人生のほとんどの時間を共に過ごす中で、私は様々なことを考えさせられる。

もっともよく頭に浮かぶのは

(本当に、本気で、働きたい女は、今の時代も少数派ではないのか)

ということだ。

次回更新は11月3日(月)、19時の予定です。

 

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