【前回記事を読む】「アート思考」的なイメージをいつも持っている子供たち。これからは美意識を高め機能性の中に美しさが求められる時代

第1章 アートと保育を考える

「アート思考」って何?

子供の時から、質の良いモノ、本物を見抜ける力を、育てる必要があります。生活の中に、様々な素材のある環境を準備して、心地よい空間を、子供自身が選択できる力を、選別できる空間が必要です。

プラスチック製品や石油製品で作られた商品が最も心地よいとは、思ってほしくないのです。商品が安価で手に入りやすいということは大事ですが、今は、仕方なく安価な製品を選んでいると、知っておいてほしいと思います。自然の素材の綿・麻・純毛・絹の肌触りや風合いを本物として覚えてほしいと思います。

幼児教室では、英語教室やパソコン教室が人気です。英語やパソコンを習わせると同様に、モノの美しさや、自然の美しさを見抜く感性を、育てる必要があると考えています。

英語やパソコンができることは、これからは必須になるツールです。生活の中に入り込んできます。特別視しなくても、自然に身に付く環境ができることでしょう。当たり前にそれらを身に付けた子供たちに、なっていくことでしょう。

それよりも今、見せたい、今見えるようになっていてほしい、見抜くようになってほしい、育ってほしい感性があります。それが「アート思考」です。それを乳幼児期の今育てるべきであるように思います。大きくその感性が育っていなくてもいいのです。

「そんなこともあるな」と、どこか知っていれば、そのアート感覚の芽を大人になるまで摘んでいなければいいと思います。

反対にその芽を持たずに成長してしまったら、アート的な感性を持てない子供になってしまわないかと心配になります。感じない子供、無機質な子供になってしまうのではないかと心配になってしまいます。無表情、無感動が、一番悲しい子供の姿です。そのまま大人になってはいけません。

「美意識」や「アート思考」は日々の環境とアイデアを考える思考回路を育てることで、磨いていくことができると考えます。それを、様々な画材を使って遊ぶことで育てたいと考えているわけです。

色のこだわり、カタチのこだわり、素材のこだわりを持ちながら、乳幼児期を過ごすと「アート」が生活に入り込んでくると考えています。それは、大人になるために必要な感性を育てると考えています。