〇抽選器(クレーローテーリオン)
アテネの民主政の特徴は、専門家の役人や裁判員不在のシステムでした。アテネ市民は、こうした抽選器により平等に役人や裁判員に選出されました。
抽選器の形状は基本的に大理石製もしくは木製で作られた、板碑上の柱で、推定される高さは人の等身大、幅は約60cm程度でした。
正面には裁判員の名札を差し込む穴が開けられ、さらに列の左側には、抽選器上面に漏斗状の開口部を持つ管が取り付けられ、その中に黒白のサイコロを入れ、下端から一つずつ取り出す仕組みになっていました。
抽選の方法は、各人が裁判員の名札などを5列の穴に差し込み、管の下端の孔(あな)から白が出ればその列(5人)は当選、黒が出れば落選、これを上から順に繰り返しました。
 
 
 
 
 
円盤面にはプセーポス・デーモシア(国有投票具)の刻印が記されています。左が有罪、右が無罪を表しています。投票具は、中央の芯が空洞(左)と中央の芯が詰まり(右)の2種類があり、投票者は芯の両端を指で押さえ、投票箱に投票しました(秘密投票)。
 
 
       
               
               
               
             
             
             
       
       
    
    
    
    
    
   