十一月十日(火) 晴
仲間に加われたパイプライン協議
パイプライン建設に関わる協議は、現場視察を兼ねて行うことになり、午後二時四十分から二時間近くにわたり盛り土の採取場、ルー卜、資材置き場、堤防への進入路、鉄道との交差等を寒空の中現場で詳細な協議が行われた。
当方からはKOK全員と韓電建設本部長、工事部長、担当課長、施工企業団所長、担当課長等が参加して、先方の孫(ソン)副局長以下東海原子力発電所の技師らと主として技術的なやりとりをした結果、
盛り土採取場(先方の指定場所は粘土分が多いため不適)と資材置き場(当方案は水田をつぶす)の位置については合意ができなかったが、他の技術的諸点についてはほぼ解決した。
なお、「その他の工事区域」指定については、KOKが案を提示し、これをGBが早急に検討することとなった。本件の緊急性(十一月十五日に工事開始予定)に鑑み、ジョーン代表が勤務時間終了後NYの報告案をまとめて、私の宿舎に夜九時ごろ協議に来た。
NYが韓電との交渉や工事の進捗にしか目が向かず、現地の事情を全く勘案していない(事前に協議がない)ことに不満を表す記述も追加的にやんわりと入れてあるが、気づいてもらえただろうか。
このように協議のために米国代表が宿舎まで勤務時間外に足を運んでくれたことは初めてだ。三カ月にわたる日本代表の継続勤務が効果を表しつつあり、本当の仲間として受け入れてもらえたようでとてもうれしかった。
十一月十八日(木) 晴
兌換券(だかんけん)
先日、通信所でJ部員と一緒にツケで飲んだコーヒー代を払ったところ、六十セン卜の釣りが出た。セントをくれるかと思ったら、代わりに外貨兌換券(だかんけん)(一ウォン札一枚と十銭札二枚、換算率:一ドル=二ウォン)をくれた。珍しいので記念に紙に貼り付けて保管することとした。