「僕、お風呂入ってくる」

幸也さん、

「家で入ればいいだろう」

「ここも、僕の家だよ」と、さっさとお風呂場へ。皆で大笑い。

ジョー君、歯ブラシも済んで、

「明日、学校だから帰るよ」と、飲んでいる側で言っている。

「お前、自己中心だな」

「そうです。父さんに似ています。さぁ、立って」と。渋々帰っていった。

本当に、おかしなジョー君です。可愛い。

 

それから毎日、穏やかな日々を送っている。相変わらず、カンタも元気に丈哉さんの雨靴を噛んでいる。

小雨が降る日、軒先でコーヒーを飲みながら、

「香子、ありがとう」と、突然。

「ど、どうしたの?」

「こんな、穏やかで、静かで、コーヒーが上手い幸せは君が側に居るからだ」

「まぁ、照れちゃうな。ウフフフ」

カンタも軒下に来て私達を見ている。

小雨をゆっくり、じっくり見ていると、心に潤いが染み入ってくる。

あの時、勇気を出して、裏木戸を叩いた自分を褒めたい。

これからも二人で、穏やかな日に感謝しながら生きていきたい。

幸せだ。丈哉さん、ありがとう。

本連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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