【前回の記事を読む】「犬を飼おうか?」——生まれて二週間、白と黒がよちより歩いている。「なんて、かわいいの…!」

第五章 これからも二人で

お夕飯も頂いて、家路に。

カンタが私の膝で、寝ている。可愛い。しばらくは我が家のアイドルだ。

一週間は家の中で、寝かせたのが寂しいのか、キャン、キャンと鳴いている。お母さんが居ないからだろう。

可哀そうと言って、丈哉さんが抱っこしている。ようやく一時頃、寝た。丈哉さん、ベッドに戻ってきた。四日間続いて、丈哉さん、睡眠不足のようだ。

「今日から慣れないといけないから、鳴いても知らないふりだ」

何故か鳴かない。丈哉さん、心配で、ゆっくり見に行っている。

「カンタのやつ、ぐっすり寝ている」と、寂しそう。笑ってしまいそう。

朝はカンタに起こされ、ご飯。庭で遊んで、畑を荒らされ、

「カンタ、そこに入ってはだめ!」と、いい運動のようだ。可愛い。雨靴が大好きで、よくかじっている。

「こら、カンタ、かじるな!」と追いかけまわしている。

カンタはかじりながら、走って逃げる。そして、怒られてシュンとしているが。また、同じ事で怒られている。可笑しい。私には、スリスリかまってポーズ。

「カンタ、香子は僕のものだよ。あまりスリスリするな。いいな」と言っている。

毎日、よく遊んで、動いて、午後はリクライニングの椅子でお昼寝。カンタは必ず、お腹に乗って寝る。下ろすけど、また、乗る。諦めて、二人してお昼寝。ほんわか。気持ちいい。

 

今日は、吉田ホールディングスへ。

「行ってくるね」

「はい。社長と圭君によろしく」と、おはぎを持たせた。

吉田に着いた。圭が迎えに来た。

「お帰り。おおー、おはぎだ」と。

「お帰り」は何か変だ。

いつも小会議室でお昼を食べながら、圭は聞きたい事をまとめて持ってくる。

社長も話したいのに、質問攻め。