過去の捉え方と今の捉え方

喉の奥に刺さった魚の骨のように、過去の出来事のわだかまりが今もこころに残り、ひっかかっているような状態になった経験はありますか。過去に囚われて、今も同じような苦しみを味わいながら生きることは、大変つらい状態です。

同じ苦しみが持続する原因として、それは今現在もなお、繰り返し何度もそのことを思い出してその出来事を味わってしまっているからです。例えば、先週、喉の奥に魚の骨が刺さって痛かったという経験を時間が経った今思い出すと、あの痛みが蘇ってくるような気がしますよね。

でも実際には喉にはなにも刺さっていません。あくまでも、追体験なのです。より恐怖や不安が増すだけなのです。

過去の出来事に対しての今の自分の捉え方が大事なのです。過去のその出来事のお陰で、今がこうあるのだと思うことで、過去と現在が繋がっていて、意味があるのだと感じることができるのです。 

その瞬間、大変傷ついた、あるいは衝撃を受けたとしても、時間の経過とともにゆっくりとこころと身体は治癒していきます。傷も同じで、かさぶたができてきたのにはがしてしまえば、傷の治りが遅くなってしまいます。

過去の苦しいことを思い出し追体験をすることは、かさぶたをはがしてしまうことと同じです。 かさぶたははがさないほうが良くなるのです。かさぶたをはがさないということは、過去への、今現在の捉え方を変えることなのです。

 

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