【前回の記事を読む】営業社員が次々と辞める原因は"取引先"だった! パワハラと強要の実態に副社長がとった行動は…
第五章 これからも二人で
車に乗った途端、課長と山中君が、やったー!と叫んでいる。びっくりした。
「監査役、ありがとうございました。担当者と部長が驚いていましたね。おまけに、社長までいらっしゃっていましたね。驚きました。ああ~、気持ち良かったです。ありがとうございました」と山中君は一人で拍手している。
よっぽど辛かったんだ。良かった。課長も凄く笑っている。ひと安心だ。社員を守れた。課長が、部長に報告している。
「部長、契約解除、無事終わりました。監査役、凄かったです。社長も挨拶に見えていました。びっくりしました。詳しくは、社に戻ってからです。急ぎ帰ります」ウキウキして話している。つい、笑ってしまう。
社長に報告。新規探しに、営業が騒いでいる。これこそ、営業の士気が上がる時だ。頑張れよ。
あっという間に、三年が過ぎた。三階堂も落ち着いた。営業も頑張って、新規をたくさん、開拓した。嬉しい。
そろそろ、引き時かな。香子とゆっくり過ごしたい。
吉田も、大丈夫だ。今年の十二月までで、退職しよう。
香子に話した。
「ええ、分かりました。あなたについていくだけです」
そんな時、父さんが倒れて、そのまま息を引き取った。あまりの急な事で、頭が追い付かない。
母さんが大丈夫か、心配だ。