凍りつく夜ふけの風にちくちくと
耳たぶを刺す痛みを覚ゆ
風を捲き視界をとざし降る雪に
面を伏せてしばし耐えゐる
雪の野に翼をつらねわたりくる
二羽の丹頂降りずともよし
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
凍りつく夜ふけの風にちくちくと
耳たぶを刺す痛みを覚ゆ
風を捲き視界をとざし降る雪に
面を伏せてしばし耐えゐる
雪の野に翼をつらねわたりくる
二羽の丹頂降りずともよし