豊胸手術でできた小さな傷でもあんなに傷んだのに、そういう時驚くくらい痛まないのが私の胸だ。
先輩には話したことがないが、私はきっと自分でも操縦しがたいこの肉の塊に、どうやって今日も息をさせるかに、思っていた以上に必死なのだ。
その必死さは徐々に強まっていて、それはなぜかというとやはり月日を経るごとに私は私を誤魔化せなくなってきているからなのだ。
最近ではことセよりももっぱらからセの方が高い効果を発していて、性ビジネス界隈にも居場所を見出しつつある。
元々記者を辞めて収入が少なかったころ、私は私のこの身体で稼いで生活を守っていたし、今更何の抵抗もない。身体の価値をお金に換算することで、私は生きていていいと思えるし、からセという行為をしている間はなんだかんだ生きているのだから。
フリーランスなんて所詮誰も守ってくれない孤独な戦士だ。転職したって会社員である先輩に、その孤独が分かるわけがない。会社員なんて死んでもなるものか。
何かの奴隷には一生涯もうなりたくないし、誰かの所有物のように扱われるなんてまっぴらごめんだ。首から下げる社員証で自分を世間に示すのも嫌だし、ネイルもピアスも自由にできない、そんな世界で生きるなんて嫌だ。
私に罪悪感なんてない。無能な奴らは全員消えてしまえばいい。可愛くない子どもが生まれたら絶対に愛情を注げないから子どもは要らない。
そもそも私がもらうべき愛を、半分でも三分の一でもそっちにもっていかれるくらいなら、初めから不要でしかない。
男たちはみな私の吐く言葉が好きで、私の世界観が好きで、私の体が好きだ。それでいい。これまでも、これからも、それでいい。