【おとこの素朴な恋ごころ爆発】
写真を拡大 〈芥川荘からすぐの防砂林中に置かれた「恋文」碑
文 筆者撮影〉
九十九里という土地は北海道人からするとまさに沖縄やハワイやグアムとほぼ同様の南国の気風を感じる土地。
日本列島に東南アジア、東アジア、太平洋諸島地域からの渡航民が多くいたとすれば、このような太平洋側の浜辺に縄文の世に渡ってきたに違いないと思える風土性を感じる。たぶん紀州・熊野の伝承にも相似した人類の営為があったに違いないと思う。
北国で生まれ育った人間には、気候風土に恵まれたパラダイス、見果てぬ夢の土地、といった語感にとらわれる。おだやかな砂浜が太平洋、そしてはるか悠久につながっている……。
芥川龍之介という作家の足跡に沿って、かれの生きた時代でのとらえ方というものが伝わってきて興味をそそられる。こういう「土地の気」が青年芥川にかねてからの恋心を告白させるに至る。
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