あ、あと、こんな甘ったるいケーキを食べながらも、毎日カロリー計算して、絶対に一日二千キロカロリー以上は摂取しないようにしてる。
そうやって太らないことに執着しているのもそれが原因。恋多き母も、祖母も、全員太ってたから。太っているのが、私にとってはとんでもなく醜く感じられることなの。女!って感じ。強烈に性を感じさせるのよね、ふくよかであることは。って、ちょっと話逸れちゃったね」
私は今、事実婚の夫がいながらも、生きるために「セ」をする男たちが、両手の指の数ほどいる。からセ寄りの人。どちらも遜色なく楽しめる人。
ことセだけで、その先の(先という表現が適切かどうかは別として)からセには稀にしか行けない人。様々だが、どれも私の生活を埋めてくれている。
「人生」となると壮大すぎて嫌気がさして考えられないが、日々の生活をパズルに見立てれば、そのピースになってくれるのが、レオ、先輩、その他浅く結ばれた友人たち、実家の面々。
そして彼ら彼女らでは埋まらないところを埋めるためのピースが、薬と男、ことセとからセなのだ。
「先輩は復讐っていう大義名分のために、自分を律して何が何でも一線を越えないわけですね」
「ただね、最近それだけじゃないかもしれないとも気づいたの。ちょっと前までは本当に、今話したみたいに私、不倫って私が頑としてしないって決めてるだけで、しようと思えばいつだってできるものだと思ってたのよ。でもそれが残念なことにね、違うような気もしてきたのよね」
先輩は本当に残念そうな顔をして話した。確かにかっこよくはない。不倫の一つもできない女なんて。