【前回の記事を読む】夜、二人きりになった途端に抱きついてきた夫。「一日中、部下に取られていたから…早くおいで」と言って私の手を引っ張り…
第三章 新しい家族
ようやく、名前が決まった。白(はく)に決定。
夕方、三人ともお風呂に入って、美味しい食事をして、
「香子さん、おはぎが食べたい」
「分かりました」
「う~ん、本当に美味しい」
三個をペロッと食べた。
「幸也は食いしん坊ね、うふふふ」
「母さんだって、二個食べただろう」
「あら、そうね。美味しいんだもの」
皆、大笑い。
片付けをしていると、幸也さん、キッチンに来てタッパーにおはぎを詰めている。
「幸也、あんた、何個持っていくつもり!」
「十個」
「ええー! 母さん達は四個?」
「いいだろう」
「だめよ。あんた一人でしょう。五個持っていきなさい」
「はぁ~ん、すくなぁ!」
すると、
「幸也、お前、多すぎ。母さんの言うとおりにしなよ」
そこで、二人の手が止まった。
「丈哉、ようやく、母さんと呼んでくれたね」
「丈にぃ、遅いんだよ」