丈哉さん、凄く照れている。嬉しそう。叔母様、丈哉さんの頬を両手で挟んで、おでこをくっつけている。丈哉さん、本当に嬉しそう。素敵な家族です。

家に帰ったら、私の胸で泣いている。声を出して、肩を震わせて。私ももらい泣き。

頭を撫でてあげた。ゆっくり、ゆっくり。目を閉じて笑っている。本当に愛おしい、丈哉さん。おじ様宅には月に一度、お邪魔している。いつも、おはぎの数で、叔母様と幸也さんの漫才が楽しみだ。

 

十二月の初め、幸也から電話。

「丈にぃ、今年のクリスマス会は、一人多く参加するから」

「えっ、誰!」

「恋人」

「誰の?」

「決まっているだろう。僕のだよ」

「はぁ~ん、幸也のか? お前、大丈夫か」

「何が?」

「女か?」

「はぁ~ん、当たり前だろう」

「は、初めてだから」

「家に女性を連れていくのは、初めてだからな。プロポーズして、オーケーもらった」

「本当か! おおー、おめでとう!」

「香子さんに伝えておいて。それと、おはぎはいつもより、多目にお願い、ともな」

「分かった。父さん達には伝えたか?」

「まずは、兄貴に」

「……嬉しい、兄貴かぁ」

「当たり前じゃないか。兄貴なんだから」

「おおー、楽しみだ。二十三日な」

叔母様達のクリスマスプレゼントには、ペアーの手作りマフラーを編んだ。