2 人間とは何(生物としての特徴)

僕達が持っている脳内世界観はとりあえず置いておきます。人間の特徴を地球上生存生物という観点から考えてみましょう。

よく言われているように人間の特徴はやはり脳の発達にあります。人間は空を飛べません。水の中で泳ぐこともできません。力はゴリラより弱いです。

蛇より生命力がありません。馬より速く走れず、蛙の方がいっぺんに産む子供の数が多いです。相当生物としては弱者ですね。そんな人間が現在地球の生命の中で王者です。その理由はズバリ、脳の発達と高度な集団力にあります。
 
人間が地球上の王者になった理由はハッキリしています。文明の力を発展させたからです。文明の土台にあるのは集団力です。

ライオンと人間が一対一で闘ったら人間は負けます。でも10人で立ち向かえば有利になります。20人なら勝てるでしょう。

人間はさらに集団力を使い食糧生産能力を上げました。余剰な生産物が増加すれば分業が可能になります。武器開発専門の人間、作戦作成専門の人間、武術を教える人間などを育成できる余裕ができます。

教育により人間の専門的な力の習得が進みます。さらに、伝達の時間的総量の拡大とともに知識と経験が蓄積されます。

その結果、武器は強力になり、作戦は緻密になります。1人1人の動きは訓練により洗練されていきます。するとライオンをもっと楽に倒せるようになります。同じ時間、労力でより沢山のライオンを倒せるようになります。

ライオンは資源になりますので、より余剰な資源が確保されていきます。その資源がさらに集団力を発達させます。

今の考古学では人類が食糧生産を始めたのは1万年前からだ、と言われています。その後人類初の文明が中東に現れて、四大文明に引き継がれていき、その流れが積み重なって現在の文明になっています。

文明とともに人間の下克上は始まりました。つまり、集団力の発達が人間の力と言えるでしょう。