【前回の記事を読む】間違った筋トレは、身体を破壊する自傷行為?「肩は絶対に挙げない」「首は絶対にすくめない」…意識すべきポイントは?
第5章
5-3.マシーンを使ってみよう!
●ジムトレーマシーンローイング
フォーム解説
①まずは立位で持ち手を引いた体勢を再現しよう。
「肘を腰に近づける」これが初心者にお勧めの意識づけの方法だ。
腰から脇にかけて「何だか固くなっている」この収縮感が掴めるまで、立位で動作を繰り返そう。
先ほどのチェストプレスで鍛えられる胸(大胸筋)は身体の前面にある。前面にあるので、筋肉を意識がしやすい。
片方の手で筋肉を触る、といった意識づけの補助テクニックも活用できる。また鏡を使えば、筋肉の収縮伸展が視認できる。
対して身体の背面(背中)の筋肉は違う。
何かを「引く(引きつける)」という動作、日常生活ではまず出会わない。筋肉の収縮伸展も視認できない。
背中を含めた身体の背面の筋肉は、前面の筋肉に比べて発達が遅れがちだ。
しかし、この発達の遅れが生じると、猫背に繋がる。身体の背面を優先して鍛える、この意識を持って筋トレに取り組んで欲しい。
②立位で広背筋の収縮感が掴めたら、その動きにマシーンを合わせよう。
持ち手の握り方は、順手(オーバーグリップ)、逆手(アンダーグリップ)、向かい合わせ(パラレルグリップ)と3種類が選択できるだろう。
どの握り方でも構わない。多くの方はパラレルグリップが、力が入りやすく動作しやすいはずだ。
③シートに座る。この時にチェストプレスと同じく、「だらん」と座ってはいけない。あくまでもシートは、動作や姿勢の補助に過ぎない。
足の指先で床をしっかりと掴む。そして、尻の穴をすぼめよう。これによって臀部の筋肉(大殿筋)が活性化する。
背中の筋肉と臀部の筋肉は連動している。臀部の筋肉が活性化すれば、背中の筋肉の動作への参加率(トルク率)が高まる。
④持ち手を掴み、肘を腰に近づける。
動作の理想は、背中の鍛えたい筋肉(広背筋や僧帽筋)の収縮伸展の結果、動きである。しかし、これをいきなり背中のエクササイズで再現するのは難しい。
まずは肘を腰に近づける意識で、背中の強い収縮感(完全収縮)を味わおう。
⑤完全収縮を味わったら、脚をしっかり踏ん張りながら、肘を前に戻していく。背中が心地よく引っ張られる感覚が得られるはずだ。
この際に腰の角度と位置は固定し続ける。
⑥心地よい背中の張りが保てる限界に達したら、そこで一秒静止する。
そして、そこから肘を背中に近づけていき、完全収縮を創り出す。