かぐわしき舞鶴の

東郷ビールを飲み干し、公園の前の道を北へ。

駅前の住宅街と港寄りの一帯を南北に隔てる通りは、大型トラックも行き交う幹線道路だった。道路標識の西方向に「京都  綾部」の表示がある。

 

「新舞鶴市街図」を見ると、この通りは先ほど渡った萬代橋から延びている。古地図には「東大門通」と記載されているが、道路端の標識には「大門通り」とある。

通りを西へ向かうと、ほどなく「大門三条」という交差点で三条通りとぶつかった。信号を渡ったところで左に折れ、先ほどとは反対側の歩道から三条通りを駅方面へ向かう。歩き始めるとすぐに幹線道路の喧騒は遠のき、また寂とした静けさのうちに吸い込まれた。

対面の歩道沿いに、先ほどのお化け屋敷と喫茶店を眺める。二つのリードを器用にあやつり、二匹の子犬を散歩させている女性とすれ違った。原付バイクに跨った女性と、買い物袋を手に提げた女性が談笑している横を通りすぎる。予約しているホテルは、駅の反対側の南口にある。

通り沿いに、十メートルほどの高さの五階建てのビルがあった。界隈では目立って高い。カプセルホテルとサウナの看板が掛かっていたが、玄関の前にはゴミが山と積まれ、「売物件」の札が立っていた。

駅頭のケーズデンキの並びのローソンに立ち寄り、プレミアムモルツを買った。

三条通りは、駅頭から北の五条海岸までまっすぐに延びている。港から渡りくる海風を浴びながら、缶ビールを飲んだ。

ビールを飲み終え、駅舎をくぐり、南口のロータリーへ。

左脇の芝地で、親子連れがサッカーボールを蹴っていた。芝地の並びにドラッグストアがあり、敷地端の歩道に近い一画に、南口界隈の開発を記念した碑が立っていた。