第二章 年下の男性に心が揺らぐ……
【高山 涼真編】
高山涼真 四十歳。独身。室内インテリア、家具を設計する会社の本部長。社員四百名。マンションもある。金もまぁまぁある。
恋愛経験多数イコール女性経験豊富。でも、結婚願望は無い。美人、グラマー、スタイル抜群の女性の経験はある。でも運命の女性に出会えない。女性は一度寝ると勘違いする。恋人のように振る舞うから嫌になる! いかにもあなたは私の物よって顔をする。苦手だ。
抱いて欲しいと言われたら、「恋人としては付き合えないよ。それでもいいんだったら抱いてあげるよ」
それでも、抱いたら同じだ。セフレとして付き合う。でも……飽きたんだ。心から、愛した人に出会いたい。一人でいる方が楽だ。
最近、友人の安がバーを始めた。凄く居心地がいい。ゆっくりできる。週二回は行く。気も使わない。
週末だ。あぁ~、癒されたい。安、ありがとう!
安の店で、最近一人で飲んでいる素敵な女性がいる。年上のようだ。綺麗だ。抱き心地が良さそうだ。
でも、女性は怖い。彼女を見て二か月がたった。僕を見もしない。僕がいるのも知らないだろう。
男性に興味が無いのか声をかけてみようかな。ちょっと冷たそうな感じ。勇気を出して、「隣、いいですか」と声をかけた。
近くで見るとセクシーだ。参ったな。それから何度も席を一緒にした。よく笑うし、しつこく無い。
余りにもあっさりと帰っていく。僕はセクシーじゃないのかな? 色目も使わないし、二時間するとサッサと帰る。
う~ん、抱きたい。どうすればいい!今日も、「涼真君、じゃ、帰るね。次は一人で飲みたいから声をかけないでね。おやすみなさい。ウフフフ」と、本当にあっさりと帰っていった。
振られた感じだ。僕はタイプではないのかな。
週末、カッシュに行ったら、彼女がゆっくりゆったりといつものハイボールと枝豆を食べている。先週、声をかけるなと言われたので我慢しよう。
カウンター席で、一点を見て目を閉じたり腕を回したりしている。そして、いつものチャーハンを注文している。
僕は何をしている? ストーカーのようにずっと見ている。あぁ~、綺麗だ。年上そうだし理想の女性だ! 二時間したら席を立った。
「あら、涼真君も来ていたのね。じゃ、お先に失礼しますね」と帰っていった……。
「大人の恋愛ピックアップ記事」の次回更新は9月15日(日)、12時の予定です。
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