【前回の記事を読む】「あの夜と朝、私の布団の中で感じた気配はあなた様だったのですか?」ドキドキしながら聞いてみると、信長様は…

第三幕  世界の果てまで 

「はい」そう結迦が答えると、

「デハ、ガメンヲタッチシテ、ヒツヨウナジョウホウヲサガシテクダサイ」

「ほほう、なかなか面白そうじゃないか。あとは、お前に任せる」

信長公はそう言うと、そばにあったソファーに埋もれるように座った。

結迦は適当に画面を操作しながら、

「なにこれ、面白い。初めて来た来訪者用のオリエンテーション機能が備わっているみたいです」

そういうと、結迦は必要な情報にアクセスし始めた。

そこはどうやら、小人(こびと)が住む地域?世界だったようである。今の身体の大きさのままでは、ドームの外へは出られないようだ。薬のようなものを服用し、身体をミニサイズにしてからでないといけないらしいことがわかった。

八時間毎にひと粒を三回、ふたり分を画面から依頼した。少しして、どこからか物音が聞こえた。その音がしたほうへ近づいてみると、小さなカップに三粒入ったものがふたつ、用意されていた。

「信長さま、これをひと粒食べるみたいです。八時間から十時間おきに追加服用で、小人サイズになるようです。なので、その間はこのドームの中に、いるしかないみたいですよ」

「ほう、それは暇を持て余しそうだな」

それは薬というよりも、意外にも、ナッツに近い歯ごたえと味のするものだったようである。どのように作用するのか、期待だけで味わっていた。

「この場所の情報収集に、ちょうどよいのかもしれませんね」

結迦はそう言うと、再び画面操作を始めたが、眠気に襲われソファーに倒れ込むように横になった。信長公もいつのまにか、眠っていた。

アラームのような音で、ふたりは目を覚ました。その音は、画面からしていた。画面に触れると音は止み、