2 エッセンシャルオイルはどうやって効くの?
・エッセンシャルオイルは2つのルートで作用する
エッセンシャルオイルの使い方には塗る(塗布)、飲む(経口摂取)、嗅ぐ(ディフューズ)の3つがあります。
これらの方法で、エッセンシャルオイルはどのように体に作用するのでしょうか。
図のように、1つは「電気信号が脳に届く」。香りの分子を嗅覚がキャッチし、刺激が脳に届くと、感情やホルモン、自律神経に作用するといわれています。「嗅覚」は五感の中で唯一本能的な行動や喜怒哀楽などの感情を司る大脳辺縁系にダイレクトに伝わる感覚です。
2つめはエッセンシャルオイルの分子が血中に入り、全身をめぐり、薬のような作用をするルートです。
口から飲んでも、小腸から吸収されて血流にのりますし、皮膚に塗っても、吸収されて毛細血管から血管に入ります。これを経皮(けいひ)吸収といいます。
ディフューズも同じで、肺胞からガス交換と一緒に血流にのれば、体をめぐります。口から入れたほうが、なんとなく体内に入っていくという感覚がありますが、どれも体に入るのは同じです。
エッセンシャルオイルの小さな分子が血流に入って、肝臓を通過し、腎臓を通過し、出て行くのです。
エッセンシャルオイルを肌に塗るのはいいけれど、飲むのは体に悪いという人もいますが、これはどうでしょう。
たとえば、貼り薬の鎮痛消炎剤の使用上の注意には、「本剤2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は2枚を超えないこと」とあります。皮膚からもしっかり吸収されるのです。
飲むことをやたらと危険視する人もいますが、塗る場合にも十分注意する必要があるのです。

図1:香りの刺激が電気信号となって脳に届く

図2:分子が血中に入り全身をめぐる(経口→消化管から)

