【前回の記事を読む】【ペットアロマ】使いすぎ注意! ペットにも個体差がある…。基本的なペットアロマの使い方とは?

第1章 そもそも、アロマとは何か?

3 アロマの使い方の基本

・原因の原因の原因を考えるとアロマを使いたくなる

薬ではなく、ペットアロマを使うのはどういうメリットがあるのでしょうか。相談がとても多い「犬の皮膚の病気」を例にとって解説してみます。

犬には「膿皮症(のうひしょう)」という皮膚病があります。原因は「ブドウ球菌」という細菌です。ブドウ球菌が皮膚で増殖し、その結果皮膚炎を起こします。

動物病院ではブドウ球菌に効く「抗菌薬」が処方されます。

ペットアロマを使うとしても、同じようにブドウ球菌に効くエッセンシャルオイルを使うことになります。それだけを比べると抗菌薬でもペットアロマでも大差ありません。

むしろ、効果効能がはっきりしているのは抗菌薬で、エッセンシャルオイルは医薬品ではないため効果効能が明示してあるわけではありません。となると、ペットアロマのメリットはどこにあるのでしょうか。

そもそも、「ブドウ球菌が増えている」のはなぜなのか。実は、ブドウ球菌自体はすごく悪い菌というわけではないのです。ブドウ球菌は健康な肌にも存在している「常在菌」です。

腸の中に腸内細菌がいるように、肌にも「皮膚常在菌」という菌たちがいます。腸内細菌たちがバランスをとりながら腸の健康を守っていると聞いたことがありますよね。

同じように皮膚でも皮膚常在菌が共存して健康な肌を守っているんです。そんな常在菌であるはずのブドウ球菌がなぜか異常に増えて暴れ出したのです。ですから膿皮症は、「ブドウ球菌はなぜ増えたのか?」が深い原因です。

ブドウ球菌は、「正常な皮膚のバリア機能が崩れたとき」に増えます。さらに「なぜバリア機能が崩れたのか」「最初に肌にダメージを与えたのは何が原因なのか」と、どんどん原因追及が深くなっていきます。