【前回の記事を読む】アロマでどんなことができるのか? 飼い主がペットにやってあげられること、「ペットアロマホームケア」とは
第1章 そもそも、アロマとは何か?
1 アロマでどんなことができる?
・アロマで楽しい記憶をつくる
犬猫のストレスの原因がわかっていても、排除できないことはあります。
たとえば一人で長い時間留守番をさせると、トイレ以外でおしっこをしたり、クッションをボロボロにしてしまったりいわゆる「問題行動」を起こす場合があります。
「問題行動」というのは人間側の都合による呼び方であって、犬からすると必要があってやっていることです。
長時間の留守番によるストレスだったり、暇だからそこにあるクッションで遊んでしまったり。犬の立場から見たら「必要な行動」です。
こういった行動が見られたときはストレスを排除する工夫をしてあげるべきです。
しかし仕事や用事があってどうしても留守番の時間を短くすることができないなら、飼い主が家にいる時間だけでも、しっかりスキンシップの時間をとり、そのときにアロマを使います。「この香りは気持ちが落ち着く幸せの香り」という記憶を犬猫にまず作ります。
そして、留守番しているときに、その香りをディフューズしておくと、犬猫もちょっと幸せな気持ちでお留守番ができるようになります。
ですから、「お留守番中の問題行動が困る」→「お留守番のときは気持ちが落ち着くといわれるエッセンシャル(たとえばラベンダー)を犬猫に吹きかける」ではありません。
それでは、「この匂いがしたらお留守番だ」になってしまい、ラベンダーも「嫌な気持ちになる香り」にしかなりません。
順番によっては、逆効果になりかねません。
匂いと記憶が結びつきやすいのは、人間も犬猫も同じです。嗅覚を司っている脳の部分と、記憶を司っている部分は近いといわれています。ですから、やはり、嫌な経験に結びつけないというのはとても大事です。