【前回の記事を読む】「犬や猫と健やかに過ごしたい…」獣医師が教える医学的根拠に基づいた、ペットと飼い主のためのナチュラルケアガイド

はじめに

私がペットアロマについて発信を始めると、知りたい人がどんどん集まって、ついには協会を立ち上げて活動するに至りました。

このように、エッセンシャルオイルを使いながらペットとともに健康に暮らしたいという飼い主さんたちの思いが集まって、ペットアロマホームケア®が生まれました。アロマケアだけでなく、アロマケアを中心とした犬猫との暮らしについても書いています。

この本がペットとの楽しい暮らしに役立てたなら、とても嬉しいです。

第1章 そもそも、アロマとは何か?

1 アロマでどんなことができる?

・ペットにやってあげられることが増える

「ペットアロマホームケア」は、「ペットに対してエッセンシャルオイルを利用したケア」を飼い主自身がおうちで行うことです。

そして、私は次のようなときに、ペットアロマホームケアができるといいなと考えています。

1 現在、 ペットの不調はないけれど、将来に備えて健康的な毎日を送ってほしい

2 ペットを病院に連れて行くかどうか悩んでいて、様子を見ている間に、家でできることをやりたい

3 病院での治療に加えて、家でできることもやってあげたい

4 病院では処置のしようがないときや、効く薬がないときに、家でできることをやってあげたい

つまり、「動物病院に行かなくてもアロマケアで治る」ではなく、適切な獣医療があってこその適切なホームケアであることが大前提です。しかし獣医療だけではどうにもならないケースは多くあり、そんなときにこそペットアロマホームケアが役に立ちます。

動物病院でなんとかなるのかならないのか、その判断のためにも受診は必要です。

また、ペットの体調に不調が起こったとき、動物病院にすぐ駆け込む前にペットアロマで様子を見てみることも価値があると思います。

しかし、ペットアロマでは状態が変わらない、むしろ悪化しているとしたら、「ぐすぐずしていないで、動物病院に行ってください!」と断言します。診断を受けて病名がわかれば(あるいは、病名がはっきりしなければ)、さらに効果的なペットアロマを使える場合もあります。

私たちのPHAJ(日本ペットアロマホームケア協会)の講座では、獣医師や愛玩動物看護師などの獣医療関係者が増えています。

これらの獣医療関係者は動物病院で、一般的な西洋医学を提供していますし、私がペットアロマを伝えるベースとなっているのも西洋医学的な考え方です。

西洋医学の必要性を理解しつつ、それだけではどうにもならないケースにペットアロマを取り入れることで、よりよい結果が得られたり、体に負担がかかる薬の量を減らすことができると考えています。