ファーストオピニオンとセカンドオピニオンの一致率

ある研究では「がん患者さんのセカンドオピニオン希望は1~88%、またファーストオピニオンとセカンドオピニオン不一致率は2~51%と研究結果にかなりばらつきがあり、またセカンドオピニオンを聞いたことがその後の経過に与えた影響についての研究はほとんど見当たらないとの報告(18)もあります。

私のセカンドオピニオンは、ほとんどの場合、新しい有効的な治療方法を提示することではなく、「あなたの主治医は正しい治療をしています」とお話しすることで患者さんとご家族に安心していただくことを目指しています。

もし私の患者さんがセカンドオピニオン希望であれば、診療情報提供書を作成し、今までのCTなどの画像を速やかにお渡しします。また、患者さんが私の説明した治療に疑問を持たれる場合には、積極的に患者さんにセカンドオピニオンを聞くことをお勧めします。医師と患者さんに信頼関係がなければ、抗がん剤治療という長い道のりを一緒に歩いていくことはできません。

セカンドオピニオンは「診療」ではなく「相談」

セカンドオピニオンは、「診療」ではなく「相談」という立場なので、健康保険給付の対象とはならず、全額自己負担です。長くとも60分までが一般的で、その料金も病院によって1万から5万円近くと幅があります。一般的には、医師の専門分野の疾患患者さんに関してセカンドオピニオン担当となると思われます。

私の腫瘍内科医としての経験で困ることは、かなり偏った治療法、例えば保険適用外の食事療法や免疫治療でがんが治ると宣伝している医療機関や、がん治療は受けない方がよいと公言しているクリニックでのセカンドオピニオンを患者さんが希望する場合です。セカンドオピニオンを聞いた医療機関で治療を受けることを希望した患者さんもいました。