この本は、日本が平和でなかった時代、戦中から戦後直後まで、小学生から中学生時代の出来事を可能な限り記憶を蘇らせ思い起こしてみた。
祖父母の愛、戦時中の平穏な暮らし、戦争の四つの恐怖(注二)、食料難、苦しい生活、母との離別など色々な出来事に出くわした。
前半は、祖父母の真の愛情、後半は、戦争による苦難をどう乗り越えて生き抜いたかをまとめてみた。
私の父親は幼少の頃に死別と聞き、母は中学生のとき離別した。
私は、祖父母と叔母たちによって育てられた。そのお陰で幾多の困難をも乗り越えることができた。
その恩は計り知れないほど大きい。そして、孫の立場でありながら、その恩に報いるため祖父母と最後まで同居し面倒をみさせてもらった。
祖父は、八一歳、祖母は八四歳で自宅で亡くなった。十分に供養をさせてもらった。今でも亡き祖父母を尊敬し敬愛の念を持ち続けている。
戦争を知らない世代のみなさまに、当時の赤裸々な暮らしの実態を少しでも伝え、また、戦時の様子を語り継いでいく意義もあるかと思い原稿を書きました。
本文をお読みくださり、一つでも二つでも参考になりお役に立てれば、この上もない喜びです。
お断りですが本文中家族のやりとりや語りの部分は、当時の事実に添いながら、一部想像で表現した箇所もあります。また、世相や背景も理解できる範囲で調べた結果をまとめました。ご了承下さい。