「はぁ」
「あー、また溜め息! 息抜きにランチに行って来たら?」
「え?」
「本当は今日は私が先だけどぉ、亜紀に譲ってあげる。だから気分転換しておいでよ」
「……ありがと」
私は長澤さんにお昼休憩に入る報告をして、バックヤードに入った。
「とりあえず食べよう」
思えば、木曜からまともに食事を摂っていなかった。俊雄さんのお見合いの事が気になって。
スマホを見ると、LINEには……俊雄さんからのメッセージはなかった。それが、今お見合いの真っ最中だという証明のように思えて胃が痛い。
「……駄目だ。食欲が湧かない」
「なんか、痩せた?」
「ひゃっ!?」
突然背後から長澤さんの声がして、変な声が出てしまった。
次回更新は8月24日(日)、19時の予定です。
【イチオシ記事】帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電にも間に合わずそのまま…
【注目記事】壊滅的な被害が予想される東京直下型地震。関東大震災以降100年近く、都内では震度6弱以上の地震は発生していないが...