【前回の記事を読む】【伝説の超大陸】遡ること1万1400年前――伝説のアトランティス大陸は、約200キロ離れたある島の大噴火により海に沈んだ…!?

第一章    伝説の大陸と最終氷期の大陸

二 最終氷期の海面変動と沈んだ大陸

最終氷期の海岸線

最終氷期の終了とともに、今から一万三〇〇〇年前ごろに地球は温暖化して大陸氷床が溶けて海面が急激に上昇しました。

図3 最終氷期以降の海面変動曲線【3】。

一万年前には海面は現在より四〇メートル低いところ、八〇〇〇年前には約一〇メートル低いところ、そして約六〇〇〇年前には現在より数メートル高いところにありました(図3)。その後、少し寒冷化して海面は低下し、現在の海面の位置になりました。

現在、地球の温暖化が危惧されて、その原因とされる二酸化炭素の削減が叫ばれています。

しかし、今から約六〇〇〇年前には、現在よりも温暖で海面も数メートル高い時期がありました。同じような温暖化がこれから始まるとすれば、海面は上昇し始めますが、現在のところ世界のどこでも顕著な海面上昇は記録されていません。

海面の位置は、どこかが高く、別のところで低いというようなことはなく、地球上のどこでも同じになるので、地球のどこかで海面が上がれば日本でも海面は高くなります。日本の海面が高くならないのに、どこかの島の海面だけが上昇することはありません。