束縛

私は 夫に縛られていたが

子供達は 学校という社会に

夫は 会社のトップとして

出入りする業者は それぞれの仕事場の

地位の中で ポストに縛られて

偶然見たこと

知ったこと

感じたことを

自分の良心で 動くことができない

人は生まれて

親や学校で こうありなさいと

教わりながら

自分の意志で

人を助けることも

手を差し出すことも

声をかけることも

たやすく できなくなった社会

こんなヒトの集まりは

未来において 何になるんだろう

誰のために 役立つのか

誰かの人生を壊していることに気づいているのだろうか

 

しあわせ

四半世紀かけて 手にしたものは

幼い時分の子供との 宝石のような関わり

そして 著名作家の作品から 

切なる思いを 見つけられたこと

それは皮肉にも 自身の家庭生活を

振り返って 得られたもの

彼が作品を通して 語りかけたものは

私の骨にささり

それがうれしくもあり 悲しくもあり

だから その家庭生活も

到着点までの 必要なレールだったのかもしれない

つまり誰かが 言っていた

しあわせであることが

しあわせであるということには ならないと

 

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