〇トロス

前470年頃、旧評議会議場のすぐ南側に、トロスと呼ばれる円形の建物が建てられました。トロスは500人の評議員から選ばれた50人の当番評議員が常駐する詰め所で、アテネの行政の実務的な中心となった重要な役所です。

当番評議員たちはこのトロスで毎日公費で会食をしながら実務に携わり、そのうち3分の1のメンバーは、夜間も常駐して24時間体制で緊急の事態に備えていました。評議会議場とトロスが建ち並ぶアゴラの西側は、アテネの政治の中枢を担う重要なエリアでした。