アユとの日々を優先する日が増えていく中で、私は病気と向き合いながら、何か新しい生活を模索していた。
正直、病気と向き合うにつれ、今の自分の位置を模索する日々。楽観的な私でも、今後のことを考えると不安になる。
そこで少しでも癒しをインプットするために、猫を飼うことにした。アニマルセラピーというほどでもないが、酒を飲み歩く抑止力とでも言おうか。ペットを飼うことで、ある意味責任を自分に課した。
そう思い立ったら猪突猛進の私は、里親募集のサイトを開き、これから人生を共にする相棒ということで、生後まもない猫をしらみ潰しに探した。
すぐに、小さくて、美味しそうな、ちょっと不安そうな猫が目に入った。
11月21日産まれ、オス
スコティッシュフォールド
12月24日お渡し可
ドキュンと来た。
もう他の里猫は目に入ってこなかった。
それほど一目惚れだった。
ちょうどクリスマスまで1週間、私はすぐ里親にメッセージを送り返信を待った。
24日、私とアユは、猫を迎えに里親の元へ訪れた。
そこにはサイトで見たよりも更に小さい、15センチほどの子猫がお出迎えしてくれていた。
余りにも小さくて抱えた腕が震える。右手が動かしにくいこともあり、すぐさまアユに手渡した。
購入したばかりの猫用キャリーバッグに入れた子猫は、先ほどまでは大人しかったものの、突如鳴き出した。
「ニャ! ニャ! ニャ!」としか鳴かない子猫。